◆新車・中古車共に自動車税の年間課税額は同じ
◆自動車税の還付は『廃車』が条件
◆車検がある中古の普通車を購入時、年度末まで自動車税は課税対象外
中古の普通車を購入・維持する際には、必ず自動車税などの税金がかかります。
しかし、税額は車の種類や課税のタイミングによって異なるため、とても複雑でよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自動車税など車にかかる税金のすべてついてくわしくご紹介します。
中古の普通車にかかる自動車税とは?
普通車を購入すると、必ず自動車税種別割(以下自動車税)の支払い義務が発生します。
新車であっても中古車であっても、年間の課税額に違いはありません。
まず初めに、自動車税の仕組みや支払い時期を詳しく解説します。
排気量を基準に算出される
自動車税の税額は、排気量の大きさにより定められています。
車の排気量とは、簡単に言うと燃料とエンジンが吸い込む空気の総量。
つまりエンジンの大きさです。
排気量が大きければ大きいほど、パワフルな力がある車ということになります。
普通車と軽自動車では、排気量が大きく異なります。
軽自動車の維持費が安いと言われる理由の一つに、自動車税の安さが挙げられます。
軽自動車規格の排気量は660ccと定められているため、自家用乗用車は一律10,800円となります。(2015年4月1日以降に新車登録した車の場合)
普通車は車種によってエンジンの大きさが違うため、課税額は大きな幅があります。
ここで、排気量別の普通車の年間課税額をご紹介します。
普通車を検討している人は、ボディタイプや人気車種例を参考にしてみてください。
□1.0L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 (2019年10月1日以降に新規登録) |
25,000円 | ||||
中古車 |
29,500円 | ||||
タイプ:コンパクトカー/コンパクトSUV |
|||||
ルーミー | ヤリス | ライズ |
□1.0L超~1.5L以下 | |||||
新車もしくは中古車 |
30,500円 | ||||
中古車 |
34,500円 | ||||
タイプ:コンパクトカー/コンパクトSUV |
|||||
フィット | アクア |
ヤリスクロス |
□1.5L超~2.0L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 |
36,000円 | ||||
中古車 |
39,500円 | ||||
タイプ:SUV/ミニバン/セダン |
|||||
ヴォクシー | ハリアー |
ノア |
□2.0L超~2.5L以下 | |||||
新車もしくは中古車 |
43,500円 | ||||
中古車 |
45,000円 | ||||
タイプ:SUV/ミニバン |
|||||
アルファード |
RAV4 | デリカD:5 |
□2.5L超~3.0L以下 | |||||
新車もしくは中古車 |
50,000円 | ||||
中古車 |
51,000円 | ||||
タイプ:SUV/ミニバン |
|||||
ランドクルーザー |
ハイエース |
□3.0L超~3.5L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 |
57,000円 | ||||
中古車 |
58,000円 | ||||
タイプ:SUV/ミニバン/セダン |
|||||
アルファード |
エルグランド |
□3.5L超~4.0L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 |
65,500円 | ||||
中古車 |
66,500円 | ||||
タイプ:SUV/セダン(輸入車含) |
□4.0L超~4.5L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 |
75,500円 | ||||
中古車 |
76,500円 | ||||
タイプ:SUV/セダン(輸入車含) |
□4.5L超~6.0L以下 |
|||||
新車もしくは中古車 |
87,000円 | ||||
中古車 |
88,000円 | ||||
タイプ:SUV/セダン(輸入車含) |
□6.0L超~ |
|||||
新車もしくは中古車 |
110,000円 | ||||
中古車 |
111,000円 | ||||
タイプ:SUV/セダン(輸入車含) |
課税対象
自動車税の支払い義務者は、毎年4月1日時点の車検証の名義人です。
ローンを組んでいるか、リースを契約しているかによって、納税義務者が異なります。
使用者と所有者が違う場合等、一般的な例をまとめました。
使用者と所有者が同じ場合 |
所有者 |
所有者がローン会社の場合 |
使用者 |
所有者がリース会社の場合 |
契約時に自動車税込みのリースを契約しているため、毎年自動車税として支払う必要はない |
所有者が使用者と異なる場合は、自動車税を支払うケースとその時期に支払う必要が無いケースがあるということを知っておきましょう。
また、ここで注意しておきたい点は、車を手放した時期によっては翌年の納付書が届く可能性があるということです。
例えば年度末の3月に車を契約し、4月に下取り車と入れ替わりで新しい車を納車したとしましょう。
先述した通り、自動車税の納税義務者は4月1日時点の名義人です。
このケースでは手放した車なのに、その車の納付書が届いてしまうという例です。
下取りとして手放しているので、自動車税を本人が支払う必要はありませんが、このような場合は事前に販売店側から説明があるため確認しておくことが重要です。
支払い時期と場所
自動車税の納付書は、毎年5月頃に所有者(もしくは使用者)の住所へ郵送で届きます。
支払期限は5月31日となっています。
納付書にはバーコードが付いているため、銀行窓口でなくてもコンビニでの支払いが可能です。
もちろん郵便局や銀行の窓口で支払いは可能です。
ただ、支払期限を過ぎてしまった納付書は、コンビニで対応してくれません。
期限を過ぎてしまった場合は、金融機関の窓口で手続きをしましょう。
窓口であれば、期限が過ぎている納付書であっても支払いが可能な場合があります。
また、自動車税を払わなかった場合、ペナルティとして追徴料金が発生します。
支払いが完了していないと定期的に納付書が送られてくるので、必ず支払うよう心がけましょう。
【排気量別】中古の普通車にかかる自動車税一覧
先述したように、自動車税は新車・中古車にかかわらず、年間課税額は同額です。
しかし、年度途中で普通車を購入した場合はどうでしょうか。
中古の普通車は、購入時に自動車税を支払うケースと支払わなくて良いケースがあります。
その違いは「車検満了日までの日数の有無」にあります。
車検が付いている(残っている)状態の中古車であれば、旧所有者が自動車税を既に支払っているため、購入時に支払う必要はありません。
一方、購入時に車検が無い状態の車(一時抹消された車)は、年度途中であっても自動車税の支払い義務が発生します。
車検が無い状態の普通車は、手続き(中古車新規登録)を行った月から自動車税の支払い義務が発生します。
ここからは、年度途中で中古の普通車を購入した場合の自動車税を、排気量別に見ていきましょう。(2019年9月30日以前に新規登録した車に限る)
車検が無い状態の普通車を購入する人は、参考にしてみてください。
□1.0L以下 |
|||
手続き完了月 |
納付額 |
手続き完了月 |
納付額 |
1月 |
4,900円 |
7月 |
19,600円 |
2月 |
2,400円 |
8月 |
17,200円 |
3月 |
– |
9月 |
14,700円 |
4月 |
27,000円 |
10月 |
12,200円 |
5月 |
24,500円 |
11月 |
9,800円 |
6月 |
22,100円 |
12月 |
7,300円 |
□1.0L超~1.5L以下 |
|||
手続き完了月 |
納付額 |
手続き完了月 |
納付額 |
1月 |
5,700円 |
7月 |
23,000円 |
2月 |
2,800円 |
8月 |
20,100円 |
3月 |
– |
9月 |
17,200円 |
4月 |
31,600円 |
10月 |
14,300円 |
5月 |
28,700円 |
11月 |
11,500円 |
6月 |
25,800円 |
12月 |
8,600円 |
□1.5L超~2.0L以下 |
|||
手続き完了月 |
納付額 |
手続き完了月 |
納付額 |
1月 |
6,500円 |
7月 |
26,300円 |
2月 |
3,200円 |
8月 |
23,000円 |
3月 |
– |
9月 |
19,700円 |
4月 |
36,200円 |
10月 |
16,400円 |
5月 |
32,900円 |
11月 |
13,100円 |
6月 |
29,600円 |
12月 |
9,800円 |
□2.0L超~2.5L以下 |
|||
手続き完了月 |
納付額 |
手続き完了月 |
納付額 |
1月 |
7,500円 |
7月 |
30,000円 |
2月 |
3,700円 |
8月 |
26,200円 |
3月 |
– |
9月 |
22,500円 |
4月 |
41,200円 |
10月 |
18,700円 |
5月 |
37,500円 |
11月 |
15,000円 |
6月 |
33,700円 |
12月 |
11,200円 |
□2.5L超~3.0L以下 |
|||
手続き完了月 |
納付額 |
手続き完了月 |
納付額 |
1月 |
8,500円 |
7月 |
34,000円 |
2月 |
4,200円 |
8月 |
29,700円 |
3月 |
– |
9月 |
25,500円 |
4月 |
46,700円 |
10月 |
21,200円 |
5月 |
42,500円 |
11月 |
17,000円 |
6月 |
38,200円 |
12月 |
12,700円 |
参考資料:自動車公正取引協議会
中古の普通車の購入・維持にかかる自動車税以外の費用
中古の普通車を購入または維持するためには、支払う必要がある税金は自動車税だけではありません。
購入する場合と維持する場合、それぞれ必要となる税金と支払うタイミングをご紹介します。
購入時に支払う税金 |
|
✪車検がある中古の普通車を購入する場合 |
・自動車税環境性能割 |
・車両価格の消費税 |
|
✪車検がない中古の普通車を購入する場合 |
・年度末までの自動車税 |
・自動車税環境性能割 |
・自動車重量税 |
・車両価格の消費税 |
まず購入時に必要となる税金を見てみましょう。
購入時には、先述したように車検の有無で支払わなければならない税金が変わってきます。
車検がある場合、車によって定められた「自動車税環境性能割」という税が必要となります。
これは元々「自動車取得税」という名称が新しくなったもので、車の燃費性能に応じて0~3%と課税額が異なります。
設定された燃費基準を満たしていれば、税の優遇を受けられるというシステムです。
ですので、車によって環境性能割は支払うケースと支払わなくて良いケースがあります。
環境性能割は名義変更を行ったときのみに発生する税のため、維持費ではなく購入時に必要となる場合があるということを頭に入れておきましょう。
車検がない状態の車を購入するときは2通りの手続きがあります。
1つ目は廃車手続きを行っておらず、ナンバープレートが付いている車(いわゆる車検切れの車)の場合。
ナンバープレートを返納していない場合は、名義変更と共に継続車検の手続きを取ります。
継続車検時には重量税が、名義変更時には自動車税環境性能割(不要な車もある)の支払いが発生します。
私たちがこの手続きを取った車を手にする時には、2年の車検が付いた状態で納車されます。
2つ目は廃車手続きが完了している場合。
このケースはナンバープレートを返納している状態なので、新たに新規検査を受ける必要があります。
「中古車新規検査」と言われ、継続車検と同じように2年の車検が付いた状態で納車されます。
中古車新規検査の場合、「重量税」に加え、年度末(3月)までの自動車税の支払いを支払います。
維持するために必要な税金 |
|
✪毎年支払う税金 |
・自動車税 |
|
✪車検時(2年または1年に1回)に支払う税金 |
・自動車重量税 |
普通車を維持する場合、新車であっても中古であっても自動車税は支払わなくてはなりません。
4月1日時点の名義人が納税義務者となり、1年間分をまとめて支払います。
また、ここでの車検手続きは「継続車検」と言われる手続きになります。
一般的な人が使う自家用は、2年に1回サイクルで車検が設定されています。
運送用等で登録されている車は事業用となり、1年に1回、つまり毎年車検を受ける必要があります。
自動車重量税はエコカー減税対象のため0円となる車も中にありますが、対象車でない場合は2年分、もしくは1年分の定められた課税額を支払いましょう。
詳しくはコチラで排気量別の月割表を一覧にしています。
13年落ちの中古車は税金が高くなるので注意が必要!
「車は古くなると税金が高くなる」と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
この「古くなる」と言われるボーダーラインは13年目です。
新車登録より13年経過した車は、自動車税が概ね15%割高になります。
どの程度高くなるのか、排気量別に一覧にしてみました。
差額 |
課税額 |
|
1.0L以下 |
+4,400円 |
33,900円 |
1.0L超~1.5L以下 |
+5,100 |
39,600円 |
1.5L超~2.0L以下 |
+5,900円 |
45,400円 |
2.0L超~2.5L以下 |
+6,700円 |
51,700円 |
2.5L超~3.0L以下 |
+7,600円 |
58,600円 |
3.0L超~3.5L以下 |
+8,700円 |
66,700円 |
3.5L超~4.0L以下 |
+9,900円 |
76,400円 |
4.0L超~4.5L以下 |
+11,400円 |
87,900円 |
4.5L超~6.0L以下 |
+13,200円 |
101,200円 |
6.0L超~ |
+16,600円 |
127,600円 |
※2019年9月30日以前に新規登録した車の課税額より算出
仮に10年落ちの普通車を購入した場合、3年後には自動車税が購入時より高くなります。
13年経過しても車を乗り続ける場合、あらかじめ自動車税が高くなることを踏まえて購入を検討すると良いでしょう。
中古車の自動車税についてよくある質問
中古車を年度途中で購入した場合の自動車税はいくらになる?
中古の普通車の場合、車検が残っている車と無い車で、購入時に必要な自動車税の支払いの有無が異なります。
車検が残っている車は、年度途中で購入したとしても自動車税は年度末まで支払う必要はありません。
この場合の自動車税を支払う時期は、5月に納付書が送付されるタイミングです。
5月から毎年1年間分の自動車税を支払います。
一方の、車検が無い状態の車を購入した場合。
一時抹消が完了しプレートを返納している状態であれば、新規検査の手続を行います。
この場合は、年度末までの月額分を納付しなくてはなりません。
手続きが完了した時点から、自動車税の納税義務者となります。
詳しくはコチラで排気量別の月割表を一覧にしています。
中古車でも買い替えの際は自動車税の還付はあり?
自動車税の還付をすることは可能ですが条件があります。
それは、その車の廃車手続きもしくは、一時抹消登録を行うことです。
基本的に自動車税は年払いしているため、年度途中でこの手続きを取ると、翌月から残りの年度末(3月)までの月割計算された金額が還付されます。
自動車税の還付ルールは軽自動車には適応されず、普通車のみに対応しています。
手続きを終えた1~2か月後、納税義務者のもとに還付に関する通知が郵送で届きます。
記載されている必要書類を確認し、金融機関の窓口で手続きを行います。
ここで注意する点は、手放す車を引き取ってくれるお店に、手続き完了の書面をもらうということ。
廃車手続き(永久抹消登録)を行うと「登録事項等証明書」が、一時抹消登録を行うと「登録識別情報等通知書」が発行され、を控えとしてお店側が保管します。
きちんと手続きが行われたのか、確認するためにもコピーをもらうようにしましょう。
この手続きを取らず、車検が残った状態で次の所有者に名義変更してしまうと、自動車税の還付はできなくなります。
また、3月に車を手放すときは、どの手続きを取っても自動車税の還付はできません。
年度末が3月のため、3月に廃車手続きを行っても払戻金が無いということですね。
中古車でもエコカー減税(重量税の免税・減税)は受けられる?
中古車もエコカー減税を受けることができます。
ただし、初回車検をまだ受けていない車に限ります。
エコカー減税とは、優れた燃費性能を持つ自動車に対して自動車重量税の優遇措置が受けれる制度を指します。
令和5年11月現在、国土交通省にて定められているエコカー減税の概要は、適応期間が令和5年5月1日~令和8年4月30日までに新車新規登録を行った車であることとなっています。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は免税。
初回継続車検も免税となり、期間は決められていますが、新車にも中古車にも車種によって該当する制度です。
自動車重量税は、車検時や中古車新規検査のときに支払う税金です。
毎年支払う税金ではありませんが、維持費を少しでも抑えるために環境に配慮された中古車を選ぶことがおすすめです。
参考資料:日本自動車工業会/エコカー減税
中古の普通車購入における自動車税のご相談は車の森へ!
この記事では、中古の普通車の自動車税について詳しくご紹介しました。
中古車・新車にかかわらず、年間課税額は同じだということ、エコカー減税対象のモデルもあるということがわかりましたね。
ただ、普通車は軽自動車と違い、自動車税の月割計算ができます。
車検が無い状態の車を購入する時には、年度末(3月)までの自動車税が月割計算で必要だということを理解しておきましょう。
反対に、手放す時に廃車手続きを行えば、年度末までの月割計算された自動車税の還付ができます。
自動車税についてご質問やご相談、お困りごとがございましたら、普通車を専門に扱う【車の森】にご相談ください!
知識豊富なスタッフがご対応させていただきます!
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。