豆知識 2024年6月6日

日産の先進技術「e-POWER」とは?仕組みや搭載車種、ハイブリッド車との違いを解説

エンジンと電気モーターを併用したハイブリッドカーは、燃費性能に優れたクルマとして多くの方に選ばれています。
ハイブリッドカーに使われているハイブリッドシステムは、自動車メーカーによってそれぞれ違いがあります。

今回は、日産が誇るハイブリッドシステム「e-POWER」について、その仕組みや他社のハイブリッド技術との違いなどをご紹介していきます。

日産が開発した「e-POWER」の仕組みとは?

e-POWER搭載車

画像引用▶https://www2.nissan.co.jp/BRAND/EPOWER/

動力を供給する仕組みが他社のハイブリッド車と異なるのが日産e-POWERです。また、運転操作にも特徴があります。

エンジンは発電専用!100%モータードライブを実現

一般的なハイブリッドシステムは、エンジンと電気モーターの2つを動力源とします。基本的にはエンジンで生み出した動力を主体にして車を走らせ、モーターは大きな駆動力を必要とする発進時や加速時に併用されます。モーターのみで走行する「EVモード」を搭載しているものもありますが、基本的にはエンジンと電気モーターを併用します。

その反面、e-POWERはエンジンを発電のみに使用します。

エンジンで発電させ、発電した電気をバッテリーに貯めてモーターに供給し、モーターの力のみで走行するという仕組みです。走行するときの動力は100%モーターだけなので、走行時だけみるとEV(電気自動車)と似た仕組みといえます。

選べる3種のドライブモードを搭載

e-POWERでは、好みに合わせて3つのドライブモードを選択することができます。

SPORTSモード
モーターの特性を際立たせた、加速・減速のレスポンスの良さを実現
ECOモード
燃費を重視したモード。ムダなエネルギー消費を抑える穏やかな加速が特徴
NORMALモード
乗りなれたガソリン車とほぼ同様の乗り心地

アクセルペダルだけで運転が可能に

e-POWERで特徴的なのが、アクセルペダルだけで加減速をコントロールできる「e-Pedal Step」が搭載されていることです。

これはモーター駆動の特性を最大限に活用したもので、加速する時はアクセルを踏み込めばレスポンス良く瞬時に加速し、アクセルを戻せばモーターの回生によってブレーキを踏んだときのような減速力を得ることができるというもの。

加速・減速を繰りかえす市街地のドライブでは、ブレーキへの踏みかえ頻度が減り運転操作による負担が減ります。ワインディングロードでは連続したカーブにもアクセルペダルだけで対応できるので、負担が減るのに加えドライブ自体を楽しむことができます。

注意!

2020年以前に採用されていたe-Pedalは、アクセルオフの減速後停止し、停止保持機能もありましたが、2020年以降の新型車に搭載されたe-Pedal Stepでは、アクセルオフの減速後にクリープ走行が発生するため、停車する際にはブレーキペダルを必ず踏む必要があります。

e-POWERとハイブリッドカーの違い

エンジンルーム

e-POWERの仕組みを知ると、他社のハイブリッドカーと異なることが分かったかと思います。

では、他社のハイブリッドカーよりもe-POWER搭載車のほうが優れている点はどのようなところなのでしょうか。ここではe-POWER搭載車のメリットについてご紹介したいと思います。

燃費の良さ

e-POWERでは、走るための動力をすべてモーターからの供給で補っています。エンジンは発電のときのみに使用するので作動時間が少なく、燃料の消費を抑えられ燃費が良いのがメリットです。

また、ブレーキをかけた時の減速エネルギーを電気エネルギーに変換しバッテリーに充電する、回生ブレーキも搭載しているので、さらに高い燃費性能を実現しているのです。

加速の良さ

e-POWERは、スムーズで力強い加速を実現していることもメリットです。

発電機とバッテリー両方からの電力のフル供給で、一瞬にして最大トルクを引き出すことができます。アクセル操作にも即反応し、素早く思いのままに加速します。

走行静粛性の高さ

100%モータードライブなので、走行音がとても静かなのもメリットです。

早朝や深夜のお出かけ時にエンジン音でご近所迷惑になることも防げ、ドライブ中の会話も邪魔しません。また第2世代では、路面が荒れていてロードノイズが大きい時を選びエンジンをかけるという技術を導入しているので、エンジン音が隠れさらに静粛性が高くなっています。

日産のe-POWER搭載車はこちら

ここで、日産のe-POWERを搭載している車種を一挙ご紹介したいと思います!

・ノート
・ノートオーラ
・エクストレイル
・キックス
・セレナ

ノート

ノート

画像引用▶日産ノート

スペック
全長×全幅×全高㎜ 4,045×1,695×1,520
室内寸法(長×幅×高)㎜ 2,030×1,445×1,240
車両重量㎏ 1,230~1,350
最高出力(エンジン)  60kW(82PS)/6000rpm
最大トルク(エンジン) 103N・m(10.5㎏f・m)/4800rpm
最高出力(フロントモーター) 85kW
最大トルク(フロントモーター) 280N・m
最高出力(リアモーター) 50kW
最大トルク(リアモーター)  100N・m
燃料消費率 WLTCモード23.8~28.4㎞/L
メーカー希望小売価格 2,299,000円~2,690,600円

コンパクトカーとは思えない上質感が高い人気を誇るノート。

現在ノートのグレードは、元々上級グレードの設定だった「X」のみで、駆動方式は2WDと4WDから選択できます。またノートは、ガソリン車がなくなりe-POWER搭載車のみとなりました。

スポーティなエクステリアデザインが特徴的なカスタマイズカーのラインアップもあり、こちらは「AUTECH」と「AUTECH CROSSOVER」の2グレードで、それぞれ2WDと4WDから選択可能です。

コンパクトカーの中でも車内空間が広く、後部座席もゆったりとしていることからファミリーカーとしてもおすすめな車です。

ノート オーラ

オーラ

画像引用▶日産AURA

スペック
全長×全幅×全高㎜ 4,045×1,735×1,525
室内寸法(長×幅×高)㎜ 2,030×1,445×1,240
車両重量㎏ 1,260~1,370
最高出力(エンジン)  60kW(82PS)/6000rpm
最大トルク(エンジン) 103N・m(10.5㎏f・m)/4800rpm
最高出力(フロントモーター) 100kW
最大トルク(フロントモーター) 300N・m
最高出力(リアモーター) 50kW
最大トルク(リアモーター)  100N・m
燃料消費率 WLTCモード22.7~27.2㎞/L
メーカー希望小売価格 2,699,400円~3,067,900円

ノート オーラはノートよりも上位グレードである『プレミアムコンパクトカー』という位置づけをされています。ノート オーラにもガソリン車はなく、e-POWER搭載車のみとなり、2WDと4WDから選択できます。

様々な面でノートよりもスペックが高いのが特徴で、サイズも若干オーラのほうが大きくなっています。搭載しているエンジン、排気量は同じですが、オーラのほうがフロントモーターの出力が高く、馬力があるので力強い走りが楽しめます。

また安全装備においてもノートよりオーラのほうが装備が充実しています。

エクストレイル

エクストレイル

画像引用▶日産エクストレイル

スペック
全長×全幅×全高㎜ 4,660×1,840×1,720
室内寸法(長×幅×高)㎜ 1,980-2,545×1,540×1,255
車両重量㎏ 1,740~1,880
最高出力(エンジン)  106kW(144PS)/4400-5000rpm
最大トルク(エンジン) 250N・m(25.5㎏f・m)/2400-4000rpm
最高出力(フロントモーター) 150kW
最大トルク(フロントモーター) 330N・m
最高出力(リアモーター) 100kW
最大トルク(リアモーター)  195N・m
燃料消費率 WLTCモード18.3~19.7㎞/L
メーカー希望小売価格 3,510,100円~5,329,500円

エクストレイルは日産を代表するSUV車で、2022年に発売された4代目モデルから全てe-POWER搭載車となりました。2WD、4WDの2つの駆動方式から選択できます。

デザインも一新され、3代目までのタフな印象から上質感漂うデザインへと外装・内装ともに変化しました。また、クラストップレベルの積載量を誇り、SUV車では貴重な3列シート(一部4WD車)も選択できます。

最新の第2世代e-POWERの採用に加え、発電効率と静粛性を高めるVCターボエンジンを搭載。その結果手に入れた、優れた低燃費性と見事な静粛性の高さもエクストレイルの強味です。

キックス

キックス

画像引用▶日産キックス

スペック
全長×全幅×全高㎜ 4,290×1,760×1,605
室内寸法(長×幅×高)㎜ 1,920×1,420×1,250
車両重量㎏ 1,360~1,480
最高出力(エンジン)  60kW(82PS)/6000rpm
最大トルク(エンジン) 103N・m(10.5㎏f・m)/4800rpm
最高出力(フロントモーター) 100kW
最大トルク(フロントモーター) 280N・m
最高出力(リアモーター) 50kW
最大トルク(リアモーター)  100N・m
燃料消費率 WLTCモード19.2~23.0㎞/L
メーカー希望小売価格 2,998,600円~3,670,700円

コンパクトSUVに分類されるキックスもe-POWER搭載車のみの展開となり、2WDと4WDの設定があります。

ノートをベースにつくられたキックスは、コンパクトなボディですが室内空間が広く、後席やラゲッジスペースに余裕があるのが特徴です。

キックスにも第2世代e-POWERが搭載され、これまで以上に力強い加速性能と静粛性を実現。また、完全電動の4輪駆動システム「e-POWER 4WD」も設定され、雪道などの悪路でも快適かつアグレッシブに走りを楽しめます。

キックスは、自動車安全性能2021において最高評価であるファイブスター賞も獲得しており、安全性能の高いクルマを求める方におすすめです。

セレナ

セレナ
スペック
全長×全幅×全高㎜ 4,690-4,765×1,695-1,715×1,870-1,885
室内寸法(長×幅×高)㎜ 3,145×1,545×1,400
車両重量㎏ 1,790~1,850
最高出力(エンジン)  72kW(98PS)/5600rpm
最大トルク(エンジン) 123N・m(12.5㎏f・m)/5600rpm
最高出力(モーター) 120kW
最大トルク(モーター) 315N・m
燃料消費率 WLTCモード18.4~20.6㎞/L
メーカー希望小売価格 3,198,800円~4,150,300円

*e-POWER搭載車のみのスペックになります

使い勝手の良い5ナンバーサイズのミニバンであるセレナ。

7~8人乗車でき、広々とした室内、利便性の高いスライドドアを備えたセレナはファミリー層から絶大な人気を誇るクルマです。

セレナは、ガソリン車とe-POWER搭載車の2モデルから選択でき、e-POWER搭載車には2WDの設定しかありません。

2022年から発売されている6代目セレナには第2世代e-POWERが採用され、専用エンジンと組み合わせた120kWの高出力なモーターによって、パワフルな走りと低燃費を実現しています。

e-POWER搭載車の購入は新車?それとも中古車?

新車?それとも中古車?

モーターのみで走行するのでパワフルで静か、そして低燃費性に長けたe-POWER搭載車を購入する場合、新車にするのか中古車にするのか迷うところですよね。

そんな時はどちらが自分に合っているのか、双方のメリットとデメリットを比べ決めると良いかと思います。

新車のメリット

新品であるからこその満足感

新車は外装や内装、各パーツに至るまで全てピカピカの新品で出来ています。自分が初めてのオーナーだという満足感を味わえます。

メーカーオプションが付けられる

新車ならば、車を製造する過程でしか付けることのできないメーカーオプションを付けることが可能です。

新車のデメリット

納車までに日数がかかる

注文が入ってから製造する新車は、納車までに通常1~2カ月ほどかかります。人気車であれば半年~1年以上かかる事もあります。

価格面では中古車に敵わない

新車は中古車に比べ高価です。ディーラーで値引きしてもらえる場合もありますが、中古車の価格には敵いません。

中古車のメリット

価格は中古車最大のメリット

中古車のメリットはなんといっても価格が安いところ。同じ車でも状態により価格がさまざまなので、自分のお財布事情に合わせた価格の車を選ぶことができます。

納車までの日数が短い

新車と異なり既に在庫のある中古車は納車までの日数が短いのがメリット。販売店によりますが大体1週間ぐらいで納車可能なことが多いようです。

選択肢が豊富

新車だと現在発売中のモデルからしか選択できませんが、中古車は在庫があれば過去に発売された全モデルの中から自分の好みのものを選択することができます。

中古車のデメリット

在庫が無ければ購入できない

自分の欲しい車種・モデルがあったとしても、それが販売店に在庫として置いていなければ購入することはできません。

車の状態にバラつきがある

使用歴のある中古車は、前オーナーの乗り方によって同じ年式・走行距離であっても状態が異なります。そのため購入時には自身で細かく状態のチェックをすることが必要となります。

「e-POWER」搭載車をお探しの方は車の森へご相談ください!

100%電気の力で走行するe-POWER搭載車は、静粛性に優れたパワフルな走りを実感できる日産の人気車です。

ガソリン車に比べ購入時の車体価格は高めですが、燃費性能が高いので車を購入した後のランニングコストを抑えることができます。

 

「車の森」は、新車よりもお得に購入することができる登録済未使用車を専門に販売しております。

今回ご紹介した日産e-POWER搭載車も扱っておりますので、e-POWER搭載車をお探しの方はぜひ車の森にご相談ください!

皆さまのご来店・お問い合わせを心よりお待ち致しております。

 

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この記事を書いた人
営業
森田龍太朗
Ryutaro Morita
ヨシダオートサービスに入社して7年目。整備士を経て現在は営業や仕入れの業務をしています。 ブログ記事を通して自動車販売店独自の目線でお客様にお得でタメになる情報をお届けしていきます。 資格としては自動車整備学校にて二級自動車整備士を取得しております。