「レガシィ」という名の車を一度は耳にした人も多いでしょう。
レガシィは、1989年から生産・発売されているスバルを代表するクルマです。発売開始から現在に至るまで何度もモデルチェンジを繰り返し販売されているレガシィ。
この記事では、レガシィとはどんな車なのか?歴代モデルの特徴や中古車価格の相場などをご紹介したいと思います。
スバルのレガシィ車とは
画像引用▶SUBARUのくるまづくり
「レガシィ」(LEGACY)は英語で、『大いなる伝承』という意味を持ちます。
スバルの社名がまだ富士重工業だった頃から自社の特色としていた、「水平対向エンジン」や「乗用4WDシステム」などのスバルの伝統的技術を受け継ぎながら、それを新時代に向けて熟成・集大成するという想いがレガシィ車には込められています。
レガシィは1989年に初代が発売されました。
初代はスポーティさを重視したセダンと積載性を重視したステーションワゴンがラインナップされ人気を集めました。
その後もセダンとワゴンの2つのボディタイプを展開しながら、クロスオーバーSUV的要素を持つアウトバックも追加されました。また、代を追うごとに少しずつボディサイズが拡大され、居住性や積載性が向上されていきました。
スバル最上級モデル「レガシィ アウトバック」の特徴
画像引用▶レガシィ アウトバック
レガシィアウトバックは元々、北米市場に向けて誕生したSUVと乗用車のいいとこどりをしたクロスオーバーSUVです。
悪路に強いSUVの需要が高い米国において、ステーションワゴンよりも最低地上高が高く、乗用スペースもゆったりと確保されている「アウトバック」は高い評価を得ています。
日本では2003年に先代モデルにあたる「ランカスター」の後継モデルとして、日本仕様の初代レガシィアウトバックが登場しました。モデルチェンジを重ねるたびに快適性や安心性、上質な内装など、車の価値を高めていきました。
2021年10月には約7年ぶりにフルモデルチェンジを果たし、7代目(日本仕様車では6代目)となる現行型が登場。スタイリッシュでありながらも高級感のある佇まいが、スバルのフラッグシップモデルに相応しいモデルです。
レガシィアウトバックの基本スペック
レガシィアウトバックのグレード構成は、「X-BREAK EX」「Limited EX」の2種類です。
「X-BREAK EX」は、フロントグリルやバンパーガード、ドアミラーにブラック塗装をあしらい、アルミホイールをダークメタリック塗装で仕上げるなど、タフでクールな印象のSUV要素強めのグレードです。
対して「Limited EX」は、フロントグリルやドアハンドル、バンパーガードなどにシルバーのメッキ加飾を施し、上質感あふれるエクステリアがフラッグシップモデルらしいグレードです。
この2種類の他に、2023年9月の改良時に「Limited EX」をベースとした特別仕様車「Active×Black」も新たにグレードに加わりました。詳細については後述します。
スペック
Limited EX | X-BREAK EX | |
全長×全幅×全高㎜ | 4870×1875×1675 | 4870×1875×1670 |
室内(長×幅×高)㎜ | 1840×1545×1245 | |
ホイールベース㎜ | 2745 | |
トレッド[前/後]㎜ | 1570/1600 | |
最低地上高㎜ | 213 | |
車両重量㎏ | 1690 | 1680 |
乗車定員 | 5名 | |
最小回転半径m | 5.5 | |
燃料消費率WLTCモード | 13.0㎞/L | |
エンジン | 1.8L DOHC 直噴ターボ”DIT” | |
駆動方式 | AWD(常時全輪駆動) | |
メーカー希望小売価格(税込) | 4,400,000円~ | 4,257,000円~ |
レガシィアウトバックの外観
【Limited EX】
画像引用▶レガシィ アウトバック
フロントグリルにはブラック塗装とメッキの加飾が施され、前後のバンパーガードにもシルバー塗装されたメッキ加飾を用いています。メッキの輝きがプラスされた上質感あふれるエクステリアが特徴です。
存在感のある18インチアルミホイールには、ダークメタリック塗装+切削光輝の加工が施され、エクステリアの高級感をさらに高めています。
【X-BREAK EX】
画像引用▶レガシィ アウトバック
X-BREAK EXでは、フロントグリル、前後バンパーガードやドアミラーなどにブラック塗装をし、アルミホイールにはダークメタリック塗装を。ボディ全体をブラックで引き締めタフな印象を与えるエクステリアデザインとなっています。
ルーフレールの差し色や、リヤドア下部に入ったロゴの色から、アウトドア志向でアクティブな印象も演出しています。
レガシィアウトバックの内装
【Limited EX】
▲ファブリック[ブラック(シルバーステッチ)]
標準装備のシートにはファブリックが採用されています。全体がブラックで統一され、随所にメッキ加飾をあしらったインテリアは上質な室内空間を演出しています。
▲本革(ナッパレザー)[タン/オレンジステッチ]
▲本革(ナッパレザー)[ブラック/シルバーステッチ]
Limited EXは、メーカーオプションで本革シートを選択することができます。
色味は個性的なタンと高級感のあるブラックから選べ、どちらも質感が高く、包み込まれるような極上の座り心地とホールド感のあるシートです。
【X-BREAK EX】
▲撥水ポリウレタン[ダークグレー(エナジーグリーンステッチ)]
X-BREAK EXのシートには撥水ポリウレタンが採用されているので、アウトドア時に濡れてしまった衣服で乗り降りしても汚れが気にならないのが特徴です。
アクセントカラーとなるエナジーグリーンのステッチがアクティブな印象を与え、アウトドアに似つかわしい内装となっています。
画像引用▶レガシィ アウトバック
レガシィアウトバックの走行性能
画像引用▶レガシィ アウトバック
レガシィアウトバックに搭載しているパワーユニットは、1.8Lターボエンジンです。スバルが独自に磨き続けてきた水平対向エンジンで、軽量かつ低重心なので振動の少なさ、エンジンフィールの滑らかさから思い通りの走りを楽しむことができます。
エンジンから動力を伝えるシンメトリカルAWDは、優れた重量バランスと低重心から、滑りやすい路面をはじめ様々な路面状況でも安定した走行が期待できます。
路面状況に応じてタイヤを自動でコントロールするX-MODEも搭載。さらに燃費重視か加速重視か、気分に合わせて走りの特性を選べるSI-DRIVEシステムも備わっています。
レガシィアウトバックの乗り心地
レガシィアウトバックには、振動や車体の揺れを抑える「スバルグローバルプラットフォーム」が採用され、走行安定性と応対性が上がりました。
また、ボディを支えるサスペンションの剛性アップと軽量化により、クルマの振動を吸収する力が高まり、同乗者も酔いにくく快適な乗り心地となりました。
画像引用▶レガシィ アウトバック
ボディの剛性が高まったことと、全てのガラスの厚みを最適化し、遮音材・吸音材を内装全体に採用したことで、車内の静粛性が格段に高められました。
ロードノイズなどの不快な音が少なくなったことで、音楽や会話をクリアに楽しむことができます。
「レガシィ アウトバック」には改良モデルや特別仕様車も
レガシィアウトバックは、2023年7月に改良モデルを発表しました。
改良によって先進運転支援システム「アイサイト」の機能がパワーアップ。従来のステレオカメラに加え、ステレオカメラよりも検知角度が2倍広い『広角単眼カメラ』を搭載し、交差点などでの衝突を回避しやすくし安全性を高めました。
また同時に『スマートビューミラー』を追加。これはルーフアンテナにカメラを内蔵しルームミラーに映し出すというもの。大きな荷物を積んでいる時やリアシートに人が乗っている時でも後方の視界を確保してくれるので安心です。
『広角単眼カメラ』、『スマートビューミラー』はともに全グレードで標準装備となり、さらに「Limited EX」の本革シート装着車(オプション)には、シートベンチレーション(運転席/助手席)およびクッション長調整機構が追加され商品力が向上されました。
特別仕様車「Active×Black」
画像引用▶レガシィ アウトバック
改良と同時に特別仕様車「Active×Black」の追加も発表されました。
「Active×Black」は上質感の高い「Limited EX」をベースに、洗練されたスタイルを引き締める精悍なブラックパーツや、水分や汚れに強い撥水加工されたシート等を採用しています。上質さにアクティブさをプラスした特別仕様となっています。
スバルのレガシィ車歴代モデルの特徴
スバルのレガシィは、現在で6代目まで続く歴史ある車です。代が変わるごとに進化を遂げてきました。
では、代ごとでどのような特徴があるのか見てみましょう。旧モデルの中古車を検討している人は要チェックです。
初代
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
初代レガシィは、スバルの特色である「水平対向エンジン」と独自のAWDシステム「シンメトリカルAWD」を採用し、レオーネの後継モデルとして1989年に誕生しました。
日本車のヴィンテージイヤーと呼ばれるこの年には、日産・スカイラインやトヨタ・セルシオなど名車と言われるが数多く誕生しました。5ナンバーサイズのセダンとステーションワゴンをラインナップした初代レガシィは、近代的でスタイリッシュなデザインが人気を博しました。
また特にレガシィステーションワゴンは、それまでの「ワゴンは車体が重く走りが遅い」という常識を覆す走りで爆発的ヒットを飛ばし、ライバル各社から競合モデルが次々と発表されることとなりました。ステーションワゴンブームの火付け役とも言われています。
2代目
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
2代目は1993年に発売され、セダン、ステーションワゴン、クロスオーバーSUVの3つのボディタイプの設定がありました。5ナンバーサイズには収まりますが、初代より多少ボディサイズが大きくなりました。
内外装のデザインを、元メルセデスベンツのチーフデザイナーが手がけたことでも有名で、より走行性能の高いターボエンジンが搭載されたモデルも発売されました。
3代目
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
「レガシィを極める」を開発コンセプトに、1998年から3代目が発売されました。
FF車をこのモデルチェンジで廃止し全グレード4WD車として、ステーションワゴン、クロスオーバーSUV、セダンをラインナップ。セダン車には「B4」というブランド名を名づけ、走行性能を重視したスポーツセダンとしてステーションワゴンとの差別化を図りました。
4代目
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
2003年から2009年まで生産されていた4代目は、歴代最高モデルと言われ車好きから厚い支持を得ている人気の高いモデルです。
人気の理由には、軽量化の実現やコスパの良さ、内外装の魅力的なデザイン、アイサイトの前身であるADAやSIドライブを搭載しているということが挙げられます。(最終型ではアイサイトVer.1を搭載)
また、このモデルから衝突安全性能向上のため車体サイズを大きくし、3ナンバーサイズとなりました。クロスオーバーSUVを生産終了し、ワゴン、セダンに加え新たにアウトバックを追加しました。
5代目
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
2009年から発売された5代目では、ステーションワゴン、セダン(B4)、アウトバックのラインナップはそのままで、居住性の向上を図りさらにボディサイズをアップ。それに伴い排気量もアップし、よりパワフルになりました。
インテリアではハンドブレーキをなくし、ヒルホールド付き電動パーキングブレーキが採用されすっきりとした見た目に。全車速追従機能付きクルーズコントロールが採用されるなど、安全装備も充実されました。
6代目
画像引用▶SUBARU SUGUDAS
6代目レガシィは2014年から発売され、アウトバックとセダン(B4)の2タイプ展開となりました。
人気の高いアウトバックでは、X-MODEや新リニアトロニックの採用、アイサイト(Ver.3)の搭載によって、走行性能と安全性能の面で飛躍的な進化を遂げました。また、上質感にこだわったエクステリアやインテリアデザインは、スバルのクロスオーバーモデルのフラッグシップらしい堂々たる貫禄を見せつけてくれます。
レガシィ車の中古相場
レガシイ車の中古車相場をみてみましょう。
年式 | 中古車相場価格 |
初代(1989年~) | 39~242万円 |
2代目(1993年~) | 60~279万円 |
3代目(1998年~) | 35~495万円 |
4代目(2003年~) | 23~259万円 |
5代目(2009年~) | 25~210万円 |
6代目(2014年~) | 84~322万円 |
7代目(2021年~) | 314~502万円 |
参考▶価格ドットコム
ステーションワゴンというカテゴリーは国産車では少ないので、古い年式のものでも中古車相場が全体的に高めとなっています。
比較的お手頃に購入できるのは、流通台数が最も多く平均相場が70~80万円くらいの5代目モデルです。この代から運転支援システム「アイサイト」を装備するグレードもあり、安全面でも安心できます。ただし10年以上経過しているモデルになるので、コンディションをよくチェックしてから購入することをおすすめします。
レガシィ車の購入は新車?それとも中古車?
レガシィ車に限らず車を購入するときにまず悩むのが、新車にするのか中古車にするのかという点だと思います。
どちらを選ぶのかは新車と中古車のメリット・デメリットを熟知し、自分にはどちらが合っているのか見極める必要があります。
新車のメリット
新車の主なメリットは下記の2つです。
新品であるからこその満足感
新車最大のメリットといえば、誰の手垢もついていない新品の満足感を得られることではないでしょうか。
自分が一番最初のオーナーとなり、外装から部品に至るまで全てまっさらな車に乗れることはこの上ない充実感を覚えることでしょう。また、全て新品なので中古車のように部品一つ一つまでコンディションをチェックして購入する必要もありません。
メーカーオプションが付けられる
メーカーオプションとは、車が製造される過程でしか取り付けることのできないオプションのことです。サンルーフや本革シートなどがこれにあたりますが、後付けすることができないので、新車を注文して購入する人の特権といえます。
新車のデメリット
新車の主なデメリットは下記の2つです。
納車までに日数がかかる
在庫がすでにある中古車と異なり、新車は注文を入れてから製造にとりかかるので、納車までに通常1~2カ月かかります。人気の車種やグレードなどでは納車まで半年以上かかることも多く、早く車を手にしたい方にとってはデメリットとなります。
価格面では中古車に敵わない
新車は中古車に比べ価格が高いのがデメリットと言えます。
物価の上昇などが要因で自動車の価格は年々上がっています。中古車でも何年か前に比べれば価格は上がっていますが、最新の安全技術や装備を搭載した新車はさらに価格が高く、購入に二の足を踏む方も多いでしょう。
中古車のメリット
中古車の主なメリットは3つあります。
価格は中古車最大のメリット
多くの方が考える中古車のメリットは、やはり価格の安さです。
年式の新しい中古車だと新車と変わらないような価格のものもありますが、少し年式が古く走行距離が多い中古車などは、新車価格に比べ大幅に安いものもあります。
納車までの日数が短い
注文してから製造にとりかかる新車と比べ、すでに現車がある中古車は納車までの日数が短いのがメリットです。
書類上の手続きさえ済めば基本的には納車が可能となるので、販売店にもよりますが1週間ほどで納車される中古車もあります。
選択肢が豊富
新車は現在発売されている現行モデルの中からしか選ぶことができませんが、中古車は在庫があれば過去に発売されていたモデルの中からも車を選択することができます。
中古車を選択すれば、同じ車種でもかなり広い選択肢の中からお気に入りの一台を選ぶことができるのです。
中古車のデメリット
中古車の主なデメリットは2つあります。
在庫が無ければ購入できない
中古車では、欲しいと思った車種・グレードがあったとしても、販売店に在庫が無ければ購入することができません。
どうしてもその車種・グレードでなければイヤだと言う場合は、中古車市場に流通してくるのを待つしかありません。
車の状態にバラつきがある
中古車は一度は誰かが使用していた使用歴のある車です。たとえ同じ年式・走行距離の中古車であったとしても、前オーナーの乗り方しだいで車のコンディションにバラつきがあります。
外から見ただけでは分からない部品類にダメージがある場合もあるので、中古車を選ぶ際には車体内部もよくチェックする必要があります。
お得に自動車が手に入る登録済未使用車とは?
登録済未使用車とは、すでに陸運局に登録されているが実際には誰も使用したことのないクルマのことを指します。
この登録済未使用車は新車よりもお得に手に入ると人気ですが、なぜお得なのかご存じでしょうか?また、お得なだけでなく弱みもありますので、メリット・デメリットに分けてご紹介したいと思います。
登録済未使用車のメリット
登録済未使用車のメリットは主に下記の2点です。
新品同様なのに低価格
登録済未使用車は登録が済まされているというだけで、誰も使用したことがない未使用車です。ですから外装・内装ともにダメージはなく新品同様のキレイな状態のクルマです。
しかしながら一度登録がされてしまうと車は中古車としての扱いとなり、価値が下がります。そのため新車同様のキレイさであっても、新車よりお得な価格で販売されることとなるのです。
早く納車できる!
登録済未使用車は中古車と同じくすでに現車があるクルマです。そのため新車のように製造され出来上がるのを待つ必要がなく、早く納車できるのです。
登録済未使用車のデメリット
登録済未使用車のデメリットは主に下記の2点です。
メーカーオプションは不可
製造の過程でしか取り付けることのできないメーカーオプションを、すでに在庫のある登録済未使用車に取り付けることはできません。
希望するメーカーオプションがある場合はデメリットとなります。
在庫が無いと購入できない
新車のように注文し製造してもらうわけではないので、中古車と同じくお店に在庫が無いと購入することができません。
登録済未使用車は人気の高いクルマなので、在庫が出たとしてもすぐに売れてしまうことも多々あります。
歴代のレガシィ車をお探しの方は車の森へご相談ください!
レガシィ車は、これまで何度もモデルチェンジを繰り返し販売されてきたスバルの人気車種です。
質感の高いデザインやスポーティーな走行性能、高い安全性能を誇るアイサイトを搭載した魅力あふれるレガシィは、日本だけでなく海外でも高い評価を得ています。
また歴代のレガシィ車には今でも人気のあるモデルが存在し、長きにわたり多くの方から愛されている車であることが良くわかりますね。
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