豆知識 2024年5月21日

中古の普通車を購入する際に印鑑証明は必要?取得方法や枚数を解説

中古の普通車を購入する際に必要な書類の一つに印鑑証明があります。
中古の軽自動車では不必要なのに、なぜ中古の普通車では印鑑証明が必要となるのでしょう。

この記事では、必要となるケースとその理由、どこで何枚取得すればいいのか、取得方法をくわしく解説します。

中古の普通車を購入する際には実印と印鑑証明が必要!

中古の普通車を購入する際には実印と印鑑証明が必要!

中古の普通車を購入するときは、印鑑証明が必要となります。
これは新車を購入する時にも同様で必要となり、名義変更の手続きを行う際は印鑑証明がないと手続できません。

印鑑証明とはどのような書類なのか、また、なぜ必要なのか詳しく見ていきましょう。

印鑑証明とはどんな書類?実印とは?

「印鑑証明」と言っていますが、正式名称は「印鑑登録証明書」。
印鑑登録証明書は本人確認書類として扱われるため、とても重要な書類です。

印鑑証明に印字してある印鑑は、自分が使っている印鑑を自治体に届け出することで登録されます。
自分の姓名(もしくは姓のみ、名のみ)で作られている印鑑が用いられます。
この印鑑を、一般的に「実印」と言います。
実印は自治体で認められる公的な印鑑となるので、変形しやすい印鑑やシャチハタでは登録されません。

自動車の手続きを行う場合等、印鑑証明に登録された印鑑(=実印)と印鑑証明の原本が必要となります。

印鑑証明が必要な理由

新車・中古車の軽自動車では印鑑証明は手続き上不要ですが、普通車では必要となります。

では、なぜ普通車に限って必要なのか?
普通車は軽自動車とは違い、所有していると〈資産〉扱いになります。
これは不動産と同じく、所有または譲渡するために本人の同意があってからの手続を行わなければなりません。
軽自動車であっても本人の同意はもちろん必要ですが、普通車は書面上も正当性を確認・証明するために必要となります。

ですので、普通車の手続の方が軽自動車に比べて必要書類は多く、本人でないと用意できない実印も必要となるのです。

中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の取得方法

中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の取得方法

不動産を持っていない人や、初めて乗用車を購入する人など、そもそも印鑑証明を登録していない人も中にはいるでしょう。
印鑑証明の登録ができる人は、各自治体に住民票を持つ15歳以上の人と定められています。

ここからは印鑑証明の登録方法について、詳しくご紹介します。

実印がない人はまず印鑑登録が必要

印鑑登録の手続き

印鑑登録を行うためには、まず〈実印〉となる印鑑を用意しましょう。
登録できる実印には、自治体により規定があります。
大阪市を例として見てみましょう。

■登録できる印鑑の要件■

一人につき1個であること
同一世帯にすでに登録されている印鑑でないこと
住民基本台帳に登録されている氏名(通称またはカタカナで表記した氏名(併記名)を含む)を表していること(氏名、氏または名、氏および名のそれぞれ一部を組み合わせたものなど)
請求により住民票等に旧氏を併記した方は、旧氏を表す印鑑を登録することができます。
職業、資格など氏名以外の事項(動物の形等により氏名を図案化したものを含む)を表していないもの
ゴム印・スタンプ印または変形しやすい材質でないもの
印影の大きさが1辺の長さ8ミリメートルの正方形に収まらないもの、かつ25ミリメートルの正方形に収まるもの

引用元:大阪市/印鑑登録申請

このように、どんな印鑑でも登録できるというわけではありません。
しかし、実印用の印鑑を絶対に新しく作らなければいけないとかというと、そうではありません。
自治体によって異なりますが、認印であれば登録することはできます。
ただ、大量に生産されている100均に売っているような認印はおすすめできません。
このような印鑑を登録することができるケースもありますが、複製できる印鑑は悪用されやすくリスクがあります。
誰でも手に入れることができる印鑑を〈実印〉として使うことは避けましょう。

また、誰が印鑑登録の申請を行うかによって必要書類が変わります。
代理人が手続きを行うと、即日に印鑑登録を行うことはできません。
さらに、本人であっても2回来庁しないと手続きが行えない場合もあります。
本人もしくは代理人が申請する方法で分けて、それぞれ見ていきましょう。

申請方法

①のケース

ご紹介する4つの申請方法の中で、唯一即日発行できるケースが①番です。
条件として、印鑑を登録する本人が役所へ来庁し、国または公共団体が発行した写真付きの身分証明書を保持している人に限ります。
これは、健康保険証では対応できないので注意しましょう。

▼必要書類
・印鑑登録申請書(区役所窓口にあります)
・登録する印鑑
・本人確認書類

②のケース

本人が手続きを行うため来庁しても、身分証明書として扱われる書類を持っていない場合、役所で即日発行はされません。
つまり、身分証明書を持っていないと2回来庁しないということです。
1回目の申請時には〈照会書〉を記入し、後日郵送で自宅に届く〈回答書〉を持って2回目来庁します。
回答書があれば、このときの身分証明書は健康保険証での対応は可能です。

▼必要書類/1回目来庁時
・登録する印鑑
・印鑑登録申請書(区役所窓口にあります)
▼必要書類/2回目来庁時
・回答書
・本人確認書類(健康保険証/年金手帳等◎)
・登録する印鑑

③のケース

代理人が照会書を申請後、本人が回答書を持って印鑑登録の手続きを行う場合です。
委任状が必要となり、必ず委任する本人が記入し、登録する印鑑を押印したものでないといけません。

▼必要書類/1回目来庁時(代理人)
・登録する印鑑
・印鑑登録申請書(区役所窓口にあります)
・委任状
・代理人の本人確認書類
▼必要書類/2回目来庁時(本人)
・回答書
・本人確認書類(健康保険証/年金手帳等◎)
・登録する印鑑

④のケース

申請から交付まで全て代理人で行う場合です。
この場合、委任状はもちろん必要ですが、1回目と2回目の来庁時にそれぞれ必要となるため、2枚の委任状を用意しなくてはなりません。
また、回答書を持って来庁する時には、代理人の本人確認書類はもちろん、印鑑登録を行う本人の確認書類の原本も必要となります。

▼必要書類/1回目来庁時
・登録する印鑑
・印鑑登録申請書(区役所窓口にあります)
・委任状
・代理人の本人確認書類
▼必要書類/2回目来庁時
・回答書
・本人確認書類(健康保険証/年金手帳等◎)
・代理人の本人確認書類
・委任状
・登録する印鑑

印鑑登録した日に印鑑証明も取得できる?

印鑑登録した日に印鑑証明を交付することは可能です。

しかし、上の画像をもとにすると即日発行されるケースは①のみです。
本人が申請を行い、写真付きの身分証明書を持っている場合であれば、印鑑登録後その場で印鑑証明書を受け取ることができます。

本人であっても身分証明書がない場合や代理人に任せる場合は、2回目来庁時に印鑑登録が完了後、その場で印鑑証明書の交付が可能です。

役所で発行する方法

印鑑証明を役所で発行する場合、本人が入手する場合と代理人が入手する場合で必要なものが異なります。
一覧を以下の表にまとめてみました。

本人 代理人
・印鑑登録証のカード
 又はマイナンバーカード
・印鑑登録証のカード
委任状は不要

請求者が本人であっても代理人であっても、印鑑登録証のカードが必要です。
印鑑登録証は、印鑑登録が完了すると役所からもらえるカードです。
このカードには自分で決めた暗証番号が設定され、自動交付機で発行する際に暗証番号が必要となります。
窓口や自動交付機にて印鑑証明書を請求する場合、このカードがないと手続きは行えません。
また、マイナンバーカードを使って印鑑証明書を請求する場合、住民基本台帳用暗証番号が必要です。

役所で代理人が手続きするときには多くの場合、委任状が必要となりますが、印鑑証明書を請求するときには委任状は不要です。
印鑑登録証カードがあれば、代理人であっても印鑑証明の請求ができます。

コンビニで発行する方法

コンビニで印鑑証明書を発行する場合、マイナンバーカードを所有している人に限ります

役所は平日のみの開庁時間が決まっているため、平日に時間をとることが難しい人もいるでしょう。
コンビニで印鑑証明書の請求を行える時間帯は決まっており、役所よりも長い取得時間があります。
土日祝のAM6:30~PM11:00まで請求できるので、わざわざ平日の仕事を休まなくても夜間や早朝に取得することができます。
また、役所の窓口では1通300円ですが、コンビニで取得すると1通200円と、100円安くなることも特徴です。
店内にあるマルチコピー機を操作し、証明書を取得しましょう。

コンビニで取得する場合にも、証明発行用の4桁の暗証番号が必要です。

利用できる店舗一覧はコチラ▶

【ケース別】中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の枚数

【ケース別】中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の枚数

中古の普通車は、車両の種類や買い方で印鑑証明の枚数が変わります。
ここからは場面によって異なる、印鑑証明の必要となる枚数を見ていきましょう。 

現金一括・銀行系ローンで購入したケース

現金一括や銀行系ローンで中古の普通車を購入する場合、車検証に登録される所有者は契約者となります。
先述した通り、普通車の名義変更を行う際は印鑑証明が必要です。

自動車ローンは様々な種類があり、連帯保証人が要るケースや借入先によって必要となる印鑑証明の枚数が異なる場合があります。
一般的には現金一括で購入しても銀行系ローンで購入しても、1通の印鑑証明が必要だということを覚えておきましょう。

ディーラー系ローンで購入したケース

ディーラー系ローンを利用して普通車を購入した場合、所有者名義はディーラーの信販会社になることが多いです。
この場合は、使用者が契約者となります。
使用者の登録には現住所の確認が取れる書類が必要なため、もちろん印鑑証明でも可能ですが、使用者だけを登録する場合は住民票で事足りるケースもあります。

また、契約者が未成年等、ローン会社から連帯保証人が必要と言われた場合、保証人の印鑑証明が必要となるケースもあります。

ディーラー系ローンで中古の普通車を購入する時は、〇通必要!と言い切ることは困難です。
ケースバイケースで対応することがポイントです。
印鑑証明が何通必要なのか、事前に問い合わせておきましょう。

車を乗り換えるケース

普通車から普通車へ車を乗り換える場合、最低2通の印鑑証明が必要です。

1通目は、手放す車用。
下取りとして引き取ってもらう車の手続きの際、名義変更であれ廃車する手続きであれ、現在の所有者の印鑑証明が必要です。
また、ローンを完済した状態で名義変更が終わっていない場合は、所有権解除の手続きを行わなければなりません。
その際に、使用者の印鑑証明をローン会社に提出しないといけないケースがあります。

2通目は、これから購入する車用です。
印鑑証明は中古車・新車にかかわらず名義変更で必要となります。

お店によっては「3通用意してください」「2通で大丈夫です」等、必要枚数が異なる場合があります。
購入店もしくは買取店に事前に問い合わせてくことがポイントです。

中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の注意点

中古の普通車購入時に必要な印鑑証明の注意点

普通車の名義登録の際には印鑑証明が必要と先述しましたが、印鑑証明は必ず原本でないといけません
これは中古の普通車の手続に関わらず、新車であっても同様のことが言えます。
軽自動車は印鑑証明または住民票の控え(コピー)で対応は可能ですが、普通車の場合は必ず原本でないと手続きが進みません。

また、印鑑証明には「3か月」という使用期限があります
これは住民票にも同様のことが言えます。
住民票だけに関わらず、普通車の手続きで必要となる書類(戸籍謄本や戸籍抄本等)も同様です。
ですので、あまりに早く印鑑証明を用意してしまうと期限が過ぎてしまう恐れも無きにしも非ず・・・ということを頭に入れておきましょう。

例えば、10月1日に印鑑証明を取得します。
この印鑑証明の有効期限は、3か月先の1月1日までとなります。
しかし、1月1日は元旦で陸運局は閉庁していますね。
つまり、実質この印鑑証明を使える期間は、陸運局が開庁している12月中だということになります。

印鑑証明を用意する時には、最新のものを販売店に渡すことがおすすめです。
日付が経過している印鑑証明を渡す場合、いつまでの期限がある印鑑証明が必要なのか、販売店に問い合わることがポイントです。

中古の普通車購入時の印鑑証明以外に揃える書類もチェック!

中古の普通車購入時の印鑑証明以外に揃える書類もチェック!

これまで印鑑証明は普通車の登録時に必要だと言うことをご紹介してきましたが、そのほかにも名義変更時に必要な書類があります。
さらに、先述しましたように普通車の手続きは全て原本でないといけません。
使用期限も印鑑証明と同様、3か月という期間が決まっているので注意しましょう。

ここからは、中古の普通車の名義変更時に購入者が用意する必要な書類を一覧でご紹介します。

購入者が用意する必要な書類
・印鑑証明
・実印
・車庫証明書

上記に加え、販売店が用意する書類は「車検証」や「委任状」です。
多くの中古車販売店の場合、名義変更の手続きは行政書士や代行を使って販売店側が名義変更の手配を行います。
そのため、販売店が用意した委任状に実印を押印する流れとなります。
納車できる状態になるには、車検証の他に「リサイクル料金」「自賠責」「車庫証明書控え」の4点セットが出来上がれば手続き完了です。

また、普通車の下取車がある場合は、上記書類とは別に用意しなければならない書類があります。
普通車を下取りに出す時に必要な書類は以下の通りです。

普通車を下取りに出す時に必要な書類
・印鑑証明
・住民票(住所変更歴が有る場合)
・実印
・委任状
・譲渡証明書
・自賠責保険証明書
・リサイクル料金
・車検証

購入した時に名義変更を行うように、下取りした車も名義変更や廃車の手続きを行わなくてはなりません。
下取り車の書類で最も注意しなくてはならない点は、所有者の引っ越し歴があるかどうかです。
手元にある車検証と、印鑑証明の住所が同じでないといけません。
引っ越しと同時に車検証の住所変更も済ませていれば問題ありませんが、車検証の住所が前住所の状態であれば、前住所の記載ある住民票が追加で必要となります。
つまり、住所の繋がりがある書類が必要ということです。

さらに、所有者がなくなられている場合、普通車は資産扱いとなるため名義変更するにも「遺産分割協議書」が必要となります。
このときには戸籍謄本に記載されている親族が対象となり、誰に名義変更するのか、それぞれが署名した協議書を陸運局へ提出し手続きを行います。

普通車は軽自動車とは異なり、名義変更時に様々なケースによって必要書類が異なります。
軽自動車のように、準備する書類は住民票と申請依頼書だけ!と一概に言えません。
今の所有者や車検証の状態を販売店に伝え、どの書類を用意しないといけないのか問い合わせておきましょう。

中古の普通車購入時に必要な印鑑証明に関する相談は車の森へおまかせください

中古の普通車を購入する時、印鑑証明が必要だということはわかりましたね。
軽自動車とは異なり、中古車であっても新車であっても普通車は資産扱いされることから、重要書類である印鑑証明を提出しなくてはなりません。

また、購入店によって用意する印鑑証明の枚数は異なる場合があります、
ローンで購入する人は印鑑証明をローン会社に提出することもあれば、使用者所有者が契約者となる場合は陸運局へ提出する等、購入方法の違いで提出先が異なるためです。
上の表でご紹介した書類は購入時には必ず必要となりますが、印鑑証明の必要枚数はケースバイケースで対応しなくてはならないということを頭に入れておきましょう。

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出典

 

この記事を書いた人
営業
森田龍太朗
Ryutaro Morita
ヨシダオートサービスに入社して7年目。整備士を経て現在は営業や仕入れの業務をしています。 ブログ記事を通して自動車販売店独自の目線でお客様にお得でタメになる情報をお届けしていきます。 資格としては自動車整備学校にて二級自動車整備士を取得しております。