車を持つことは生活を豊かにする一方で、維持費がかかるという側面もあります。
車の維持費には、どのような費用がかかるのでしょうか?
この記事では、年間・月間で発生する費用の内訳や節約方法を詳しく解説していきます。
車の維持費に対する疑問や不安を解消し、どのようにすれば費用を抑えることができるのか、一緒に考えてみましょう。
車の維持費とは
車の維持費とは、車を所有することで発生するすべての費用のことです。
車の維持費の内訳は、主に5つのカテゴリに分類されます。
項目別に詳しく解説します。
- ●税金
- ●保険料
- ●走行に必要な費用
- ●メンテナンス費用
- ●ローンの利息
税金:自動車税や重量税
維持費で必要な税金とは、自動車税や自動車重量税など、車を所有する際に必ず発生する費用のことです。
車を所有する際には、毎年「自動車税」を支払う必要があります。
この税金は、車の排気量や車種によって異なります。
たとえば、軽自動車の自動車税は他の車種に比べて安く設定されていますが、それでも年間で数千円から1万円程度かかります。
また、「自動車重量税」は車の重量に応じて課税され、新車購入時や車検時に支払う必要があります。
自動車税は排気量が大きいほど、自動車重量税は車の重量が重いほど高くなりますので、維持費の中でも無視できない項目です。
課税の仕組みや排気量別の税額の違いを解説
保険料:自賠責保険や任意保険
保険料とは、自賠責保険や任意保険など、事故や損害に備えるために必要不可欠な費用です。
車を所有するためには、法律で定められた「自賠責保険」に加入することが義務付けられています。
これは、事故によって第三者に損害を与えた場合の最低限の補償を提供するものです。
自賠責保険の料金は全国で一律ですが、任意保険は車種や年齢、運転歴などによって大きく変動します。
任意保険に加入することで、事故時の補償範囲を広げることができるため、ほとんどのドライバーが加入しています。
年間の保険料は数万円から数十万円になることもあり、車の維持費の大きな割合を占めます。
走行に必要な費用:ガソリン代や高速料金
走行に必要な費用とは、ガソリン代や高速料金など、車を運転する際に発生します。
車を運転するためには、ガソリン代が必要となりますね。
ガソリン代は、車の燃費と走行距離に深く関係があります。
燃費の良い車を選ぶことで、ガソリン代を節約することができます。
たとえば、軽自動車やハイブリッド車は一般的に燃費が良いとされています。
また、頻繁に高速道路を利用する場合、高速料金も考慮する必要があります。
これらの費用は毎月かかるため、長期的な視点で見た場合の維持費に大きな影響を与えます。
メンテナンス費用:車検代や修理代
メンテナンス費用とは、車検代や修理代など、車を安全に保つために必要な費用です。
車を安全に使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
日本では、法律で車検(車両点検整備)が義務付けられており、新車の場合は初回の車検が3年後、その後は2年ごとに車検を受ける必要があります。
車検には法定費用(自動車重量税や自賠責保険料など)とメンテナンス費用が含まれます。
メンテナンス費用は、車種や車の状態によって異なり、交換が必要な部品や修理の内容によっても変わります。
例えば、ブレーキパッドやタイヤの交換など、必要に応じて発生する費用も考慮する必要があります。
ローンの利息(カーローン利用者のみ)
ローンの利息は、カーローンを利用した人のみ、購入費用を月々分割で支払うため費用が発生します。
車を購入する際に、支払方法としてカーローン・現金等選択肢があります。
カーローンを選択した場合、ローンの利息も維持費の一部として考慮する必要があります。
ローンの利率や返済期間によって、総支払額が変動します。
利息は金額が大きくなるほど、また返済期間が長くなるほど増えるため、事前にシミュレーションを行い、自分の収入や支出に見合ったローン計画を立てることが重要です。
【車種別比較】車の維持費シミュレーション
車を維持する費用は車種によって大きく異なります。
ここでは、普通車、小型自動車、軽自動車の年間維持費の目安を比較してみましょう。
具体的なモデルとともに、それぞれの費用の違いを確認してください。
年間費用/車種 | 〈普通車〉 日産:セレナ |
〈普通車〉 トヨタ:カローラ |
〈小型乗用車〉 ホンダ:フィット |
〈軽自動車〉 ホンダ:N-BOX |
---|---|---|---|---|
自動車税 | 約39,500円 | 約36,000円 | 約34,500円 | 約10,800円 |
自賠責保険料 | 約16,350円 | 約16,350円 | 約16,350円 | 約15,000円 |
任意保険料 | 約60,000円 | 約50,000円 | 約40,000円 | 約35,000円 |
メンテナンス費用 | 約50,000円 | 約40,000円 | 約30,000円 | 約25,000円 |
ガソリン代 | 約120,000円 | 約100,000円 | 約75,000円 | 約60,000円 |
燃費:km/L | 約13km/L | 約15km/L | 約20km/L | 約22km/L |
年間総合計 | 約290,000円 | 約250,000円 | 約200,000円 | 約150,000円 |
ガソリン代は、平均的な走行距離(年間10,000km)を基に燃費とガソリン単価(約160円/L)から算出しました。
この表からもわかるように、軽自動車は税金や燃費面で優れており、年間の維持費が他の車種に比べて安くなる傾向にあります。
一方、普通車や小型自動車は保険料やガソリン代が高めになることが一般的です。
日産:セレナ(普通車)
日産のセレナは、ミニバンとして家族向けの人気車種です。
維持費に関しては、年間の自動車税が約39,500円で、普通車としては一般的な金額です。
自賠責保険料は他の普通車と同様に年間約16,350円ですが、任意保険料は車両サイズや安全性、運転経験により異なり、約60,000円と想定されます。
燃費は約13km/Lと、ミニバンの中では標準的な数値です。年間の走行距離が10,000km程度の場合、ガソリン代は約120,000円になります。
メンテナンス費用は、車両のサイズが大きいため約50,000円とやや高めですが、ファミリー層にとってはその価値があると言えるでしょう。
トヨタ:カローラ(普通車)
画像引用:カローラ
トヨタのカローラは、信頼性が高く経済的なセダンとして長年人気があります。
自動車税は約36,000円で、普通車の中でも手頃な方です。
自賠責保険料は約16,350円で、任意保険料は約50,000円程度と推定されます。
燃費は約15km/Lと燃費性能が良いため、年間のガソリン代は約100,000円に抑えられます。
メンテナンス費用も約40,000円とバランスが良く、維持費全体が低めに抑えられているため、コストパフォーマンスが高い車種です。
都市部や長距離通勤の際にも効率的な選択です。
ホンダ:フィット(小型乗用車)
ホンダのフィットは、小型車としての経済性と広い室内空間を兼ね備えた車です。
自動車税は約34,500円と小型車の中では標準的で、自賠責保険料は年間約16,350円です。
任意保険料は約40,000円と小型車ならではの低コストが魅力です。
燃費は約20km/Lと非常に優れており、年間のガソリン代は約75,000円と経済的です。
メンテナンス費用は約30,000円で、維持費全体が抑えられているため、若者や経済性を重視する人に適しています。
通勤や買い物にも便利な車です。
ホンダ:N-BOX(軽自動車)
ホンダのN-BOXは、軽自動車の中でも特に人気が高いモデルです。
自動車税は軽自動車特有の低コストで、年間約10,800円です。
自賠責保険料は年間約15,000円で、任意保険料も約35,000円と、非常に経済的です。
燃費は約22km/Lと高いため、年間のガソリン代は約60,000円に抑えられます。
メンテナンス費用は約25,000円で、車両の維持コストが全体的に低いことが特徴です。
日常の足として、都市部や狭い道路での運転がしやすく、維持費の負担が少ないため、多くのユーザーに支持されています。
中古車の価格や維持費を比較
車の維持費を抑える方法
車の維持費を少しでも削減するためには、以下の具体的な方法を取り入れることが効果的です。
4つの方法を実践することで、長期的に見て維持費を大幅に削減することができます。
燃費のいい自動車を選ぶ
燃費の良い車を選ぶことは、日々のガソリン代を大幅に削減する最も効果的な方法の一つです。
ハイブリッド車や電気自動車(EV)は、従来のガソリン車と比較して燃費性能が非常に高いため、ガソリン代を節約できます。
また、エコカー減税などの優遇措置が適用される場合もあります。
例えば、トヨタのプリウスやホンダのフィットハイブリッドなどは、燃費性能が優れていることで知られています。
年式が古い車は買い替える
年式が古い車を所有している場合、維持費が増加する傾向があります。
特に、新車新規登録から13年を経過した車両は、自動車税や自動車重量税が割高になるため、適切なタイミングでの買い替えを検討することが推奨されます。
また、古い車は故障のリスクが高まり、修理費用も増加しがちです。
新しい車に買い替えることで、最新の安全技術や燃費性能を享受でき、結果的に維持費を削減することができます。
最適な買い替えタイミングをご紹介!
自動車保険は比較してから選ぶ
自動車保険は、同じ補償内容であっても保険会社によって料金が大きく異なることがあります。
複数の保険会社のプランを比較し、最適なものを選ぶことが大切です。
特に、インターネットで見積もりを取ることで、割引が適用される場合もあるため、保険選びの際には複数の見積もりを取得し、比較することをお勧めします。
また、車両保険の有無や免責金額の設定など、保険内容の見直しも維持費削減に効果的です。
定期的にメンテナンスする
車の定期的なメンテナンスは、長期的な維持費削減に大きく寄与します。
定期点検を怠ると、小さな不具合が大きな故障につながり、高額な修理費用が発生することがあります。
ディーラー以外の信頼できる整備工場を利用することで、点検や修理の費用を抑えることが可能です。
check point●
エンジンオイルの交換は燃費を向上させ、エンジンの寿命を延ばすために重要です。
過剰な頻度で交換する必要はありませんが、指定の走行距離または期間ごとに交換を行いましょう。
長期間車を動かさない場合、タイヤの位置を変えることでタイヤの偏摩耗を防ぎ、タイヤ寿命を延ばすことができます。
車体の保護のため、定期的な洗車とワックスがけを行いましょう。
これにより、錆びや塗装の劣化を防ぎ、車の価値を保つことができます。